北米版クソゲーワースト10

 雑誌「PCワールド」のカナダ版で、「The 10 worst games of all time」という記事が出ているのを見かけた。ベストゲームだったらグローバルによく知られたゲームが出てくるものだが、ワーストとなるとローカル色が豊かになって、知らないゲームばかりになる。カナダのパソコン雑誌の記事なので、これは北米版クソゲーワースト10。軽く取材して書いたような半分ジョークの雑誌ネタなので、話のネタ程度に軽く読んでください。

1. E.T.: The Extra-Terrestrial (Atari, 1982): Atari 2600
2. Super Columbine Massacre RPG (Danny Ledonne, 2005): Windows
3. Custer’s Revenge (Mystique, 1982): Atari 2600
4. Daikatana (Eidos Interactive, 2000): Windows, Nintendo 64, GameCube
5. Pac-Man (Atari, 1981): Atari 2600
6. Smurf Rescue (Coleco, 1982): ColecoVision, Atari 2600
7. Shaq Fu (Electronic Arts, 1994): Sega Game Gear, Sega Genesis, Super Nintendo, Amiga, Game Boy
8. Make My Video (Digital Pictures, 1992): Sega CD
9. Prince of Persia: Warrior Within (Ubisoft, 2004): PlayStation 2, Xbox, GameCube, Windows, cell phone, PlayStation Portable (as Prince of Persia: Revelations).
10. Elf Bowling (NStorm, 2005): Nintendo DS
ランク外
Death Race (1976)
Microsoft Bob GeoSafari (1995)
Postal (1997)
Deer Hunter (1997)
The Typing of the Dead (2000)
The Howard Dean for Iowa Game (2003)

 こうしてみると、「ユーザーの期待と現実のギャップの激しさ」を演出したゲームが「記憶に残るクソゲー」として思い起こされるようで、これは日米同じというところだろう。パックマンがランクインしているのは、Atariの移植版があまりにも出来が悪くてユーザーをがっかりさせたゲームだから。Daikatanaは、Doomをデザインしたことで有名なクリエイターの次回作ということで期待させながら延期でさんざんファンを待たせた挙句に失敗作が出てきたということらしい。
 あとは、「作りこみの甘い安易なタイアップ、キャラクターもの」、「人気ジャンルを追従して大失敗」、「実験的な挑戦にコケた」、「どうしようもなく見るに耐えない品のなさ」という要素のいずれかがここに挙げられた理由となっているように思われる。
 栄えある1位となったETはもちろんのこと(当時のテレビCMを見ると、手にした人の落胆ぶりが想像できる)、7位は人気バスケットボール選手のシャキール・オニールを使った格闘ゲー。タイトルからすでにグダグダな脱力感にあふれている。10位はクリスマスのサンタのボーリングゲームで、これも一応キャラクターもの。「人気のニンテンドーDSで、クリスマスものを出せばそこそこいけるだろう」という感じの企画の安易さがにじみ出ている。ダメなゲームというのは、どこの国で作られていてもそんな感じで、今や日本のDSマーケットにもそういうのは山ほど出ているだろう。初代ファミコンの頃はそんなのばっかりだったし。
 これらのゲームは幸か不幸か、クソゲーとして人々の記憶に残っているが、人目に触れず、話題にもならずひっそりと消えていった、誰も思い出してもくれないようなクソゲーがこれらの陰にたくさん存在する。安易な企画で適当に作られた、ユーザーの時間を浪費するだけでしかないゲームはクソゲーの名に値するし、ここにランクインしているゲームは、どうもそういう臭いのするゲームばかりだ。しかしその一方で、作った人たちが夢や想いを込めて世に送り出したけれども、何かの不幸が重なってクソゲー認定を受けてしまったゲームも数あることだろう。それは作った人たちの気持ちに思いを馳せると、いろんなドラマが想像されて泣けてくる。なので、一概にどれもこれもクソゲーと言ってバカにすることもできない。食べ物にはお百姓さんや料理した人の想いがこもっているのと同じく、ゲームにも作り手の開発者たちの想いがこもっていることを忘れてはいけない。
 あと一つ目を引くのは、The Howard Dean for Iowa Gameがランク外で登場していることだ。これはシリアスゲームの事例としてよく知られる、米大統領選挙キャンペーン用の広報ミニゲームである。ここにリストアップされているゲームの中で唯一のウェブゲームで、わざわざ取り上げられているところは、それだけ認知度はあったということなのだろう。一発芸的な狙いで即席で作られた低予算ゲームなので、こんなところで取り上げられるくらいにまで知られたのであれば、クソゲーと言われても作った側としては狙い通りといったところだろう。
参照記事:
http://www.pcworld.ca//news/column/e73b0b190a0104080187a604e28f6492/pg0.htm